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「水みたいな文章」を書くための第一歩は、「一つの文章では一つのことしか言わない」習慣をつけること。

この習慣が身につけば、少なくとも「よくわからない」文章は書かないようになるはずだ。

でも、これだけでは「達意」つまり、「水みたいにすっと体に染み透る」文章にはまだかなり遠い。



文章を「水みたい」にするためには、流れも大切なのだ。水が高いところから低いところへ流れるように、自然に前に進むこと。前へ前へと進むことで、人を読む気にさせることができる。いつまでも同じことを言っていたり、前に戻ったりすると、読む人は「どうなっているのだ」という気持ちになる。1センテンス1つの意味に文章をまとめたら、次はどのように配置するかが大事なのだ。

 

例文1

わが社の業績は順調である。もっとも利益率はそれほど高くない。しかし、商品開発が順調に進んでいる。新商品が出れば利益率は改善されるだろう。昨年の業績はよくなかった。今年は景気が悪かった業界も少しずつ上向きになっている。わが社の業績も改善された。今後ともさらに頑張っていきたい。

 

一つ一つの文章は「一つのことしか言っていない」のだが、つながり、つまり「流れ」が悪いために、何が言いたいのかよくわからなくなっている。

この文章は、流れを変えることでよくなる。

 

例文2

わが社の業績は順調である。景気が悪かった業界も、今年は少しずつ上向きだ。わが社の業績も改善された。もっとも利益率はそれほど高くない。しかし、商品開発が順調に進んでいる。新商品が出れば利益率は改善されるだろう。今後ともさらに頑張っていきたい。

 

文章を並び替える段階で、「昨年の業績はよくなかった」という文章を省略している。この文章がなくても、次の文章で「景気が悪かった業界も」といっているので、読者は察しがつくからだ。

よく、しっかり説明したいと、同じことを繰り返したり、不必要なことまで付け加えたりする人がいるが、それはまさに「蛇足」。

文章は、不必要な言葉や分を排除し、意味を少しずつ重ねながら、前へ前へと話を進めていくのが大事だ。

 

よく、こういうときに接続詞を使う人がいる。

 

例文3

わが社の業績は順調である。そして景気が悪かった業界も今年は少しずつ 上向きだ それもあってわが社の業績も改善された。もっとも利益率はそれほど高くない。しかし、商品開発が順調に進んでいる。そして新商品が出れば利益率は改善されるだろう。今後ともさらに頑張っていきたい。

 

これも、接続詞をつけた方が分かりやすいだろう、親切だろうと思ってのことだが、いらざる気配りである。 


例文3)を読めば、接続詞を加えることで、かえって意味が通りにくくなっていることがわかる。「水みたいな文章」を書くためには、「接続詞はできるだけ使わない」ことが必要なのだ。

 

もちろん、話の流れが変わるときや、並列でいくつかの例を挙げるときには「しかし」「だが」、「また」などの接続詞を使わなければならない。

この接続詞は、それがなければ意味が通らなくなるので絶対に必要だ。しかし、それ以外の部分にまでにたくさん接続詞を使っていると「効きが悪くなる」のだ。

 

「水みたいな文章」を書くためには、文章の流れを良くすること、そして必要以上の「接続詞」を使わないことが大事なのだ。

 

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