koshitara-eeno



文章の見た目について、しばらく考えてきた。続いて構成について考えたい。

私は人と話をするのが仕事の一部となっている。多くの人と話をしてきたが、大体二つのパターンがあることに気が付いた。

何かを訪ねた時に、答えを先に言って、それからその理由を話す人と、理由や経緯から入って最後に結論を言う人の二つのパターンだ。

ビジネスマン、忙しそうな人、そしてせっかちな人は、結論から先に言うことが多い。時間がないということもあろうが、それ以上に単刀直入に答えることで、論点をはっきりさせたいと考えている人だ。

結論を後回しにしてしゃべり始めるのは、圧倒的に女性が多い。そして、おしゃべりが好きな人が多い。話に酔うタイプも多いように思う。

 

文章にも、結論から先に言って後から理由を述べる構成と、時系列的に書いて最後に結論を述べる構成の二つがある。

それこそ結論から先に言うが、ほぼ91の割合で、結論から先に書く文章の方が成功する。人は読んでくれる。

なぜなら、何度も言うように、人は「他人の文章を読むのが大嫌い」だからだ。先に結論を知ることができれば、極端に言えばあとは読まなくともよい。以下の文章には、結論より大事なことは書いていないのだから。

書き手にとっては不満が残るかもしれないが、このシリーズの最初の方でのべたように、文章を書く目的を「達意(意志、気持ちなどが相手に達する)」だとすれば、結論を知ってもらうことで、とりあえずその文章は成功したと言えるのだ。もちろん、その結論が面白ければ、人はその先も読んでくれる可能性は高まる。

お話し好きの人、いろいろ説明したい人、そして面白い結論(落ち)を思いついた人は、それをできるだけ引っ張って、最後の最後に明かしたいと思う。それは人情なのだが、大抵失敗する。

長々と事情説明をするときに、最後まで読んでもらえるような、水みたいな文章が書ける人は、それほど多くない。それに加えて、あなたがすごく面白い結論(落ち)だと思っていることは、大抵大したことはない。

それよりも、いちばんいい情報は先に出す、ということを習慣づけた方が文章は良くなる。



結論から先に言う文章というのは、構造的に新聞の記事と同じである。新聞も大見出しで結論を言い、詳細を本文で伝えている。

新聞記事は構造的に、結論を前に出さないと成り立たないようにできている。プロ野球なら「巨人、阪神を零封」みたいな見出しが先に来る。間違っても「6時に試合は始まった」という見出しが出ることはない。

新聞は、暇な人なら隅々まで読むが、忙しい人は見出ししか読まない。それでも最低限の情報は伝わるようにできている。

 

文章を書くときは、新聞記事を書くことをイメージして書けばよいのだ。

新聞の見出しだと思えば、頭に置く結論も、短く、わかりやすくなるはずだ。

報告書も、私信も結論から書く習慣をつけるべきだと思う。

 

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