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教え子の女子大生を暴行したとして準強姦罪に問われていた柔道66kg級の金メダリスト内柴正人は、懲役5年の求刑を受けて、「無罪であると確信した」と述べ、涙を流した。

九州の大学の柔道部の監督、客員教授をしていた内柴は、東京、八王子に遠征した折に、打ち上げで酩酊状態にあった教え子と関係を持った。

内柴は、教え子と関係があったことは否定していない。それが「合意」の上であったと言っている

内柴は、合意であった証拠に、教え子は、途中で部屋に入ってきた他の学生に、助けを求めなかったと訴えた。
 

 しかし、被害者の女子大生にとって、内柴は恩師であり、大学の教員である。しかも金メダリストの超大物である。抵抗したり、拒否したりすることは事実上不可能だったはずだ。

すでにこの男は、同じ大学の複数の教え子と関係があったことを認めている。

圧倒的な権力を笠に着て、この男は、柔道部をハーレム化していたのだ。

また、内柴は、教え子は、交際中の男性に内柴との関係が発覚するのを恐れて「暴行された」と虚偽の訴えを起こしたと主張した。

自分が無罪であると主張したいがために、教え子に背徳の罪をなすりつけたのである。

 

内柴は妻子持ちである。夫人は自宅で整体マッサージを営んでいた。内柴が逮捕された時に、夫人は「夫を信じて帰りを待っている」と言った。夫人や子供にも心無い非難が集中した。内柴は「家族だけは守りたい」と言っていた。

 

しかし、公判が進むうちに、内柴の行状が明らかになり、夫人は離婚した。有罪無罪の判定以前に、次々に明るみに出るわが夫の背徳行為に、言葉もなかったことだろう。

 

検察側は、「欲望の赴くまま避妊もせず姦淫に至った。教え子の信頼を裏切った上、あろうことか被害者から誘ってきたと名誉を傷つける行動に終始している」「性道徳は全く破綻しており、刑事責任は重い」と痛烈に内柴を非難した。ここまで言うのは珍しいように思う。

 

内柴は、天才的な柔道家ではあったが、暴力沙汰など度々問題を起してきた。しかし、柔道界は「金メダルの逸材」であるとして、事件をもみ消した。

おかげで内柴は金メダルを2個獲得するような大選手になったが、「世の中は何でも思い通りになる」という誤った認識を持つようになったのだろう。

 

だれでもこんなにおかしくなるわけではない。検察がいうように内柴は「破綻者」なのだと思う。

しかし、「精神主義」を標榜しながら、「強ければ何でもOK」という、日本の体育会系の考え方。アスリートたちに社会常識や倫理観さえ教えない即物的な育成方法には、大きな問題があるのも事実だ。

 

今、オリンピックの人気種目のトップアスリートたちは、高校や大学に在籍しながらも、ほとんど授業には出ず、練習、遠征に明け暮れている。学校側もそれを目こぼして、甘やかしている。学校の売名になるからだ。

 



しかし、そういうアスリートたちはいずれ引退して、普通の社会人になる。そのときに一般教養も、社会常識も倫理観も身に付けていない、化け物のような人間に育っている可能性もなくはないのだ。

 

検察が求刑した「懲役5年」は、執行猶予がつかない量刑を意味している。裁判官の心証も極めて悪いと思われるので、実刑判決が出る可能性は高いだろう。

 

内柴が公判で見せた涙は、恐らくはすべてを失う悲しみから出たものだろう。しかし、柔道以外何も学んでこなかった、自らの半生に対する後悔の涙のようにも見えた。

 

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