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誰もこういう結末は予想してはいなかっただろう。小沢一郎氏と嘉田由紀子氏は、大新聞などメディアから「詐欺師」と呼ばれるに至った。

ちょうど1か月前の1128日、滋賀県知事の嘉田由紀子氏は「日本未来の党」の結成を宣言した。

 

「卒原発」「活女性、子ども」「守暮らし」「脱増税」「制官僚」「誇外交」

第三極と言われた「日本維新の会」が、ウルトラ右翼とされる「太陽の党」と合併し、維新を支持していた多くの人々を失望させる中、その受け皿となるべき「真の第三極」が誕生したかと思われたが、その希望は次の瞬間には消え失せた。

 

この党は、「国民の生活が第一」の小沢一郎氏が画策してできた党だったのだ。小沢氏は、支持者である達増拓也岩手県知事の紹介で、9月に嘉田知事に会って、新党結成の話をしていた。

小沢氏と「国民の生活が第一」にとっては、総選挙は死活問題になっていた。民主党を出て新党を作ったものの。「日本維新の会」からも「太陽の党」からも組まないと言われ、ポジションを失いつつあったのだ。

 

小沢氏は国民的な人気がないから選挙の顔にはならない。そこで、選挙に向いた清新な「顔」を求めて、嘉田知事に行き当たったわけだ。

嘉田知事は、一時期は橋下氏らと新党結成に傾いていたが、橋下氏が大飯原発の稼働を容認したことから距離を置くようになっていた。

 

しかし、今回の民主党“政変”に際して、何らかの動きをしたいという野心はありありだった。

 

そこに小沢氏から話がもたらされたのだ。もちろん、既成政治家の代表のような小沢氏に対して、嘉田氏も警戒心を抱いていただろうが、恐らくは時間をかけて説得されたのだろう。

 

しかし、この会談は9月に行われたという。この時点で話がまとまっていれば。ここまで浅はかな結果になることはなかっただろう。

 

「日本維新の会」も「太陽の党」と合併する前だったから、第三極にイニシアティブは、「未来」側に移った可能性さえあった。

 

そうしなかったのは、嘉田氏の決意が定まらなかったからだろうが、同時に小沢氏が、維新や民主、自民などの動静を横にらみしていたからではないだろうか。小沢氏にとっては、嘉田氏との連携は、いくつかある選択肢の一つだったのではないか。
 


結果的に「未来」の結党は、衆議院が解散し、総選挙の日程が決まってからになった。それ以前にも「緑の風」という小党が結党されているが、「未来」も明らかに「選挙狙いの党」とみなされるようになった。

 

イメージが悪かったのは、「維新」の仲間に入れてもらえなかった亀井静香氏、山田正彦氏の「TPP反対」が合流したことだ。

 

選挙で勝ち残りたい面々がごたごた集まって政党を作った。「選挙互助会」国民からは、そのようにしか見られなかった。

選挙戦が始まっても、「未来」の支持率は全く上がらず、選挙は惨敗した。失われた議席は、維新と自民に移った。

 

そして、選挙の余熱冷めやらぬうちに分裂騒ぎ。

 

結局、小沢氏率いる「生活」に15人が移り、議席のない嘉田氏と社民から移った阿部知子氏が「未来」、そして亀井静香氏は「緑の党」に移った。

動けば動くほど、国民の失笑を買い、支持を失っていく。

 

結局、政治家たちは「選挙に受かること」だけを考えている生き物のようである。

小沢氏はまたぞろ、民主党との接近を図っているようだ。次の参議院選挙で復権すべく、次の手を打っていると言われる。

 

小沢氏は策謀家だと言われるが、ここまで手の内が読まれてしまうと、滑稽ですらある。

まるで、寄生虫が次に憑りつく宿主をさがしているようである。

事実、小沢氏は誰かのイメージや力を借りなければ生きていけない寄生虫になったかのようである。

 

どんなに良い政策を持っていても、政治的手腕があっても、この行状では誰の支持も得ることはできないだろう。

将来の総理候補、超大物と言われた政治家がこういう形で磨滅していくのは見るに忍びない。

 

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