久々に相撲の話題。今日、出版社で担当者が来るのを待っていたら、その会社が出している大相撲の雑誌を出してくれた。読んでいて、期待を裏切っていると思った日馬富士が年間69勝も挙げていることに驚いた。
69勝と言えば、力士の実力が拮抗していた昭和の時代なら、年間最多勝に輝いてもおかしくない数字だ。

年6場所制以降の年間最多勝と2位の数字を表にした。差は1位と2位の勝差。

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69勝以下の最多勝は13回もある。
最多勝のレベルが下がると「第一人者がいない」と好角家は嘆いたものだ。
「大鵬は年間81勝もしたんだ、横綱はそれくらい強くないと」
と言ったものだ。
アンタッチャブルと言われた年間81勝は78年に北の湖が82勝と更新したが、これこそが限界だと言われた。
どんなに強い横綱でも、1場所1敗や2敗はするもんだ。千代の富士も貴の花もクリアすることができなかった。
それが、2005年に朝青龍が84勝と更新。14勝1敗を6場所続ける計算になるこの勝ち星こそ限界と思ったのが、2009年2010年と白鵬が86勝を挙げた。

モンゴル人の横綱が土俵を制するようになって、第一人者と二位以下の力士の差が極端に開いてしまったのだ。

相撲人気が落ち込んだのは日本相撲協会、親方衆の体たらくが問題ではあるが、土俵の上に関して言えば第一人者が強すぎて優勝争いがワンサイドゲームになりすぎることが大きいと思う。

今考えても残念に思うのは、全盛期の朝青龍が2010年3月で引退させられたことだ。不祥事はあったのは事実だが、実際には他の力士も親方衆もいい加減なことをたくさんしていたのだ。朝青龍は少なくとも土俵の上ではおかしなことはしなかった。
横綱審議委員会は自分たちのメンツのために朝青龍を切ったと未だに思っている。



もし朝青龍が健在なら、白鵬と80勝力士同士が本場所で激突するすごい土俵が繰り広げられたはずだ。
78年北の湖82勝、若三杉78勝に匹敵するレベルの高い勝ち星争いが見られたのではないか。

11月場所で日馬富士が白鵬を下したのは明るい話題だった。日馬は小さい体だが、集中力を高めれば白鵬と好勝負を演じることは可能だ。
さらには稀勢の里が68勝22敗と肉薄している。
来年こそは、3力士が70勝台で接戦を繰り広げるような、盛り上がる土俵を見せてほしい。



 
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