この大阪場所は面白かった。やはり綱とりがかかる場所は盛り上がる。
鶴竜は関脇どまりの力士という印象があったので、やや意外ではある。
186cm154kgは小さいとは言えないが、巨大化した幕内上位では目立たない体格。

何より下手からの攻めがメインであり、引き技も多いなど、強豪力士の印象からは程遠かった。

しかし、綱とりがかかった今場所、特に終盤の攻めはめざましかった。
日馬富士、白鵬、そして今日の琴奨菊に対しては「絶対に引くまい」という強い決意が見て取れた。

いざというときには、いつもの数倍の力が出る。ここらが日本人力士とは違う。
先場所の稀勢の里のダメさ加減を見ても、その思いを強くしてしまう。
今世紀に入ってからの大相撲の横綱、大関を見てみよう。
グレー地はモンゴル系、オレンジ地はその他の外国人、白地は日本人。赤字は優勝。

2014-3basyo


90年代から外国人力士の進出がめざましかった大相撲だが、当初は主にハワイ勢だった。
しかし2002年秋場所に朝青龍が大関になってからはモンゴル人力士の進出がめざましくなった。

朝青龍の後を追うように白鵬、日馬富士、鶴竜とモンゴル人大関が登場、驚くべきことにそのすべてが横綱まで駆け上がったのだ。

大関での優勝は翌場所の成績如何では横綱昇進につながる。つまり「綱取り」である。また準優勝によって「綱取り」になるケースもある。
今世紀に入って「綱取り」は19度あったが、日本人は11度の機会をことごとく逸しているのに対し、モンゴル勢は8度の機会で4度成功している。

ありきたりな表現かもしれないが、ハングリー精神が違うのかもしれない。日本人力士は、ここぞと言うときに力がでないが、モンゴル人は全く逆なのだ。

夏場所、モンゴル横綱はついに3人になる。日本人横綱は貴乃花の引退以来、11年出現していない。



この表を見てもう一つ感じるのは、大関の寿命が延びていること。
大関在位場所数1位は千代大海と魁皇の65場所、3位タイに琴欧州50場所、10位に栃東33場所と最近の大関が軒並み顔を連ねている。

これは自己節制によって力士の寿命が延びているのではあろうが、同時に横綱、大関の「互助組合」が露骨に機能しているということでもあろう。

外国人力士は1部屋1人と制限されている。モンゴル人力士は全員所属部屋が違う。すべて対戦する。そのことがかえって「注射相撲」を増やしているようにも思う。

「互助組合」には日本人大関も加入しているようで、今場所の琴奨菊が白鵬、日馬富士に勝った相撲など「御冗談でしょ」という感じだった。日馬富士はどうも「役者ぶり」が目立って仕方がない。

私は大相撲に関しては「何が何でも八百長はダメだ」と目くじら立てる気にはなれないのだが、最近の大相撲は、おかしな取り組みが再び増えているように思う。

不祥事続きで世間にそっぽを向かれてから2年、ようやく人気が回復してきただけに、協会側はもう一度ふんどしを締め直してほしい。


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