先週の衆議院選挙は、私が知る限り最低の選挙だった。体制はほとんど変わらず、盛り上がらず、発見も少なかった、
このまま議員バッジをつけていたいがために、右往左往していた次世代の老人たちが軒並み落選したのは多少小気味良かったが、自民党は「大勝」とラベルを貼られるし、野党は惨敗したとされる。
でも、自民は少しながら議席を減らし、民主や共産は少なからぬ議席を増やしたのだ。
それでも何も変わらなかった。

この選挙で熱心に投票に行ったのは、自分たちの利益だけを考えていた人たちだけだ。
企業や官庁に既得権益を張り巡らしていると言われる公明党支持者=創価学会の人と、アベノミクスで本当に潤っている人だけ。他の有権者がしらけきっている中、本当に利益を得る人が選挙を、政治を私したということだ。

投票率は52%、戦後最低。有権者が権利を行使しなかったということだが、行使しようにも多くの選挙区では選択肢がなかった。
野党第一党の民主党が、多くの選挙区に候補を立てることができなかったのだ。
「安倍総理の不意打ちを食らった」ということだが、政権奪取のために日々刀を磨くどころか、政治そっちのけで、足の引っ張り合いをやっていたのだ。

私の住んでいる地域は、自民党の現役閣僚がいる。しかし民主党は候補を立てなかった。維新から生活の党に鞍替えした元職と、共産党の新人の選挙戦。
戦う前から勝負が見えているというやつだ。
生活の党は、野党再編と言いながら、仲間内をもめさせるだけもめさせて、最後は党をぶっつぶしてしまう「壊し屋」小沢一郎が率いている。
いいことを言っているのかもしれないが「この人がいるだけでだめ」というイメージが強い。

共産党の候補には「出ればいいってもんじゃない」と言いたくなるような候補もいる。関西地方の候補なのに、九州の島しょ部出身で、高校を卒業して関西に来て主婦、なんて経歴の人もいる。この人の政治歴はあるのか、と思ってしまう。
しかし私の選挙区の共産党は、この土地の出身で、労組での活動歴も長く、まともな意見も吐いている。

で、私は今回、選挙区も、比例区も共産党に入れた。
選挙権を得て35年になるが、多分初めてのことだ。

共産党の政策は「政権なんて取れっこない」と分かっていて作っている。
消費税減税、大企業と大金持ちの税金を上げて、その分で社会福祉を充実させるなどと言っている。
大企業や高額所得者は庶民の敵、という昔ながらの単純な図式でものを言っている。
大企業や高額所得者の税金を上げれば、彼らは海外に出て行ってしまう。大企業のすそ野には、中小企業がびっしりと蝟集しているし、大企業が高収益を上げて設備投資をするから日本経済は潤う。金持ちが消費をするから景気は上がる。
もちろん格差の解消は大事だが、単純に増税をすれば、日本経済はひっくりかえってしまう。
ほとんど「幸福実現党」と変わらないレベルの政策だと思う。

でも、この政党に入れたのは、それしか選択肢がなかったからだ。私は「アカ」へのアレルギーはない。
私の若いころは「左翼」「カウンターカルチャー」こそが若者文化であり、「右翼」は「反動勢力」で格好が悪かったのだ。

今の共産党は、自らの組織や主義主張を堅持したいと願う点で「がちがちの保守的体質」だとは思うが、「明日仲間割れして消えてしまう」ような党ではない。
同じ批判票を入れるのなら、せめて実のある方に入れよう、と思ったのだ。

民主党も全然好きではないが、まだ実現可能なことを言っている。自民党の抑止力にはなると思う。出来の悪い政治家が集まった「自民党の二軍」という感は強いが、彼らがそこそこの勢力を保つことに意義がある

維新の会は「状態」として存在しているだけで、いつでもばらばらになりそうだ。意見も違うし、組織を維持しようという使命感もない。小さなあられ菓子が、うすいビニール袋に入っているようなものだ。でも、それでも候補を立ててくれれば投票した。

安倍政権は折り返し点に差し掛かったと思う。日本人は「金儲け」だけに期待してこの政権を再び選択したが、安倍晋三首相はこれから「本当にやりたいこと」を徹底してやると思う。
「原発主導のエネルギー政策」「憲法改正」「大企業優遇の税制改革」。
選挙から1週間足らずで、原発再稼働など世の中の動きはどんどん加速している。
「株価つり上げ」「円安」という見せかけの景気対策=アベノミクスは、今後、嘘のように効き目が消えうせるだろう。
多くの人が不景気で騒ぎだしたころには、日本は、昔のように庶民がお上や金持ちの言うことを聞く、体制にとって扱いやすい国家になっているはずだ。

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広尾晃、3冊目の本が出ました。