「本日は、お足元の悪い中をば、頼まれもせんのに、いっぱいのお運び、ありがたく御礼申し上げます」

故、六代目笑福亭松鶴は見台の前に座ると、こういったものだ。松鶴は「頼まれもせんのに」のところで、ちょっと顔を伏せる。聴衆はどっと笑う。

東京の寄席で噺家がいう「よっぽど家にいられない事情があったんでしょうね」と同工のマクラだが、松鶴 の方が上等だ。

雨がしとしと降る昼下がり、昔の角座の、安物の書き割りの舞台を見上げて、松鶴のこの口上を聞いていると、しみじと自分が物好きであることを感じたものだ。

「あんさんも好きでんなあ」と六代目は言っていたのだ。

 

本来、趣味とはそういうものである。「頼まれもせんのに」応援したり、モノを作ったり、書いたりする。はたからみれば、物好きとしか言いようのないことに血道をあげ、一喜一憂するものだ。

それが飯のタネになれば、この上もない幸せではあるが、食えないからと言ってそれを止めはしない。止められるものではない。

 

足かけ4年にわたって「野球の記録で話したい」を続けてきた。月間50万人以上の方々にお読みいただくようになった。「頼まれもせんのに」と書いてはお叱りを受けるだろうが、純粋な興味と熱意でお越しいただいたものと理解している。感謝の言葉もない。

 

このたび、野球以外の私の関心事、趣味もブログにすることにした。それだけ「頼まれもせん」のに、言いたいこと、話したいことがあるのだ。こちらも同様にごひいきを賜りたい。

 

原則として1日に2本更新する。

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このブログも「た、だ」の言い切りで書かせていただく。「上から目線だ」という批判もいただいたが、文章を生業とするものとして、「です、ます」調では鍛錬にならないという意識がある。ご理解いただきたい。

 

例によっていろいろ間違いをすると思います。決して軽くは受け止めてはいません。小さなミスでも落ち込んでおります。でも、粗雑ゆえ、ミスはなくならないと思います。前もってお詫び申し上げますが、それもお含みの上お付き合いのほどを。